職人に学ぶ
石川 精三郎氏(製缶士)
製缶技能士として、鉄、ステンレス、チタン等多種の金属材料を使用し、複雑な形状のタンク等を製作しているが、それぞれの金属の材質を長年の経験と研究から熟知しており、溶接など周辺技能にも優れている熟練度の高い職人である。原子力発電関係の付属機器など高度な製缶にも不可欠な職人である。
川崎区在住。(有)プラス福嶋勤務。
今井 忠雄氏(特殊ガラス容器製作)
極低温(摂氏マイナス270度)にも耐えられる、ガラス真空魔法瓶や金属とガラスの接着など、高度な技能を駆使し、複雑で特殊なガラス容器を創意工夫し製作している。製作したガラス器具は大学の最先端の研究に使用され、研究者からの要望に即座に対応し、必要な器具を製作する、この分野では不可欠な職人である。
麻生区在住。東京大学物性研究所勤務。
佐藤 榮子氏(洋裁 婦人服)
デザインから製図、縫製まで全て一人でこなし、その優れた技能によりオリジナルデザインと着心地の良さで顧客に喜ばれている。長年の経験から、オーダーメイドとして体型に合わせた洋服を、生地の素材、裁断方法も研究し製作している。後継者の育成や社会的活動にも積極的な職人である。
高津区在住。洋装店クチュールボンテ自営。
関戸 秀美氏(神社寺院銅板屋根工事)
全国の神社、仏閣、宮殿の修理改修に携わり、技能の研鑚をしてきた。特に高欄飾りである「宝珠」などを作る槌起の技能をマスターし、銅板屋根職人として高度な技能職である。日本独特の社寺建築における、桧皮葺の屋根の形状等を銅板葺で作り出す加工にも卓越した技能を持ち、この分野で、不可欠な職人である。
多摩区在住。(有)関戸経営。
若林 近男氏(表具師)
表具師としての仕事の中でも、掛け軸や屏風などの修復は、高度な技能が必要であり、絵が生きるように、生地選びから糊貼りなどに優れた技能を発揮している。熟練した技能により、古い表具から現代のクロス貼りまで、正確な仕事に顧客からの信頼も厚い。技術校の講師を務め、後継者の指導にも積極的な職人である。
幸区在住。若林表具店自営。