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かわさきマイスター活動レポート

かわさきマイスターに学ぶ 季節のお菓子

ヨーロッパ仕込みの本格レシピが大好評

提供:川崎市
毎回大人気の、東京ガスキッチンランド川崎(川崎区小川町)でのかわさきマイスターによる料理教室。11月6日(日)は、洋菓子士の浅谷理明さんによる、クリスマスシーズンにぴったりのお菓子づくり教室が開かれ、15人の女性が参加しました。抽選倍率は、なんと約6倍という高倍率! 川崎だけでなく、平塚や港区から足を運んだ方もいらっしゃいました。

この教室は川崎市と東京ガス株式会社川崎支店の共催によるもので、キッチンランド川崎では、こうした料理教室をはじめ、地域に密着した活動に取り組んでいます。

■キッチンランド川崎ホームページ
http://home.tokyo-gas.co.jp/showroom/kl-kwsk/

本日のマイスター、浅谷理明さん

川崎市多摩区中野島で多くのファンに愛されているコンディトライ「マリアツェル」を営む浅谷さんは、かつて、イギリス、フランス、スイス、オーストリアなどヨーロッパ各国で修行を積んだ、本格派パティシエ。新商品の開発、研究に熱心に取り組み、地元の名前を冠した「中野島シュー」や「中野島シューラスク」は特に評判です。「中野島シュー」は、アーモンドとフレッシュバターをふんだんに加えた固めのシュー皮に、なめらかクリームをたっぷりと詰めた大ヒット商品。「中野島シューラスク」は、シューなのにラスク?と驚く、サックサクのオリジナル菓子です。地域振興活動にも熱心な浅谷さんは、地元の素材を使った商品開発も多数、手掛けており、多摩区菅地区の地場野菜、のらぼう菜を使ったクッキーなどもお店で販売しています。ちなみに、趣味はバイク、ヘリコプター操縦(!)、器械体操(?)と、かなりワイルドです。平成21年度かわさきマイスター認定。

オーストリアのクリスマス菓子、シュトーレン

浅谷さんお手製のシュトーレン。
浅谷さんお手製のシュトーレン。
浅谷さんが作るお菓子は、オーストリア菓子がベース。今日は、オーストリアのクリスマス菓子として定番のシュトーレンをメインに紹介してくださいました。オーストリアでは、ちょうど11月初旬にこのお菓子を作り、クリスマスまで、薄く切りながら大切に食べていくそうです。あちらでは生地を発酵させないので、1カ月以上も保存がきくのだとか。調理の合間にこうした、ヨーロッパで修行を積んだマイスターならではのお話が盛り込まれ、生徒さんたちも興味津々の様子でした。ご紹介のレシピは、現地のものを日本人好みにアレンジし、浅谷さんが10年近くお店で使用しているという貴重なレシピ。マジパンを使用した、ちょっと珍しいシュトーレンです。
まずは浅谷さんのお手本から。みなさん、メモをとりながら熱心に聞いています。キッチンの上部にモニターが設置されているので、後ろの人まで先生の手もとがよく見えて安心。
浅谷さんの実演の後、4班に分かれて調理を開始。ボウルに強力粉、薄力粉、塩、シナモン、スパイス、グラニュー糖を合わせ、そこに生イースト、グラニュー糖、温めた牛乳を混ぜて加え、こねます。まとまったら、室温に戻したバターを加えてさらにこねます。「パン屋さんはグルテンを出すためによくこねるけど、これはこねすぎないように」と浅谷さん。バターでまとめていくのがコツだそうです。ある女性は、「パンの作り方と違って、生地のまとめ方が難しい」との感想。浅谷さんはあちこちの班を回りながら、生徒さんをサポートしていました。
各班を回って歩く浅谷さん。
各班を回って歩く浅谷さん。
バターで材料をまとめていきます。
バターで材料をまとめていきます。
次に、オレンジピール、ラム酒浸けのレーズン、アーモンド(ダイス)を加え、混ぜます。レーズンの代わりに、イチジクやプラムでも美味しいそうです。
「レーズンを入れてもいいですか?」と生徒さん。
「レーズンを入れてもいいですか?」と生徒さん。
生地をまとめながら、隣の方と和気あいあいです。
生地をまとめながら、隣の方と和気あいあいです。
生地を丸め、乾燥しないようにラップをかけて室温で約30分おき、一次発酵させます。30分たったら、3~4回こねてガス抜きをし、成形してさらに10分ねかせます。「ラップでぴっちり包んでおくと、発酵まで時間がかからないんですよ」と浅谷さん。
発酵の目安に強力粉を軽くふっておきます。
発酵の目安に強力粉を軽くふっておきます。
マジパンの長さ(約15センチ)に合わせて生地を伸ばし、マジパンを包み込みながら山形に成形し、35℃のガス高速オーブンで約30分、二次発酵させます。浅谷さんは、「レーズンが潰れないように生地を伸ばし、焼く時にレーズンが焦げないように、なるべく中へ入れて成形してください」とアドバイス。
マジパンはドイツの町、リューベック産。オーストリアで高級店以外でもマジパンを入れるようになったのは、ここ最近のことだそうです。
マジパンはドイツの町、リューベック産。オーストリアで高級店以外でもマジパンを入れるようになったのは、ここ最近のことだそうです。
上手に成形できました。
上手に成形できました。
指で触って弾力を確かめます。
指で触って弾力を確かめます。
発酵させた生地の固さを確かめます。「パンみたいに弾力がありません。指で押すとゆっくり戻ってくる感じです」と浅谷さん。これを、ガス高速オーブン160℃で30分焼きます。

材料を混ぜたり、こねる段階が何度かありましたが、とにかく、グルテンを出さないことが今日のポイント!
時間が経つにつれ、教室中に甘~いにおいがたちこめてきました。焼き上がったら、焦げたレーズンをはずし、熱いうちに溶かしバターを塗ります。シナモンシュガーをまぶし、粉糖をたっぷりふって完成!
焼き立てほやほや!
焼き立てほやほや!
まんべんなく、バターを塗ります。
まんべんなく、バターを塗ります。
さりげなく見守る浅谷さん。
さりげなく見守る浅谷さん。
シナモンシュガーをまぶしたところ。本場では使わないそうですが、浅谷さんいわく、「日本人に合う!」とのこと。
シナモンシュガーをまぶしたところ。本場では使わないそうですが、浅谷さんいわく、「日本人に合う!」とのこと。
粉糖をたっぷりふります。
粉糖をたっぷりふります。
完成!
完成!
ご自分が焼いたシュトーレンはお土産に。みなさん、大満足の様子でした。

Tea Time

マイスターと生徒さんたちで会話が弾みます。
マイスターと生徒さんたちで会話が弾みます。
二次発酵と焼き上げの間に紅茶を煎れ、浅谷さんお手製の半熟カステラとイチゴのショートケーキをいただきながらティータイム。ヨーロッパ修業時代のお話や食材へのこだわりといった蘊蓄が披露され、聴き入るみなさんの表情も楽しそう。お菓子づくりが大好きな方ばかり、ということもあって、材料や分量についてなど、いろいろな質問が飛び出していました。

生徒さんたちにお話を伺ったところ、「マイスターの本格派レシピを知りたかったから」「シュトーレンを作ってみたかったので」との理由で参加された方が多かったです。嬉しいことに、「かわさきマイスター」についてご存知の方も1人、いらっしゃいました! その生徒さんは、「かわさきマイスターに直に会ってみたくて参加しました。お会いして、長年の経験や気配り、材料の一つひとつにこだわりを感じました。シュトーレンは思っていたより簡単だったので、びっくり。家でも作ってみたいです」とのこと。また、「こねない作り方は珍しい。本格的だなと感心しました」とおっしゃる生徒さんもいました。